全ての居酒屋はトイレの中に大きな鏡を置くな

ない文章力を振り絞って恋と退屈について書きます

俺はあの娘と再会したいんだ

世の中にはたくさんの空間がある。自分の部屋、あの時の教室。新宿。地球。この世の空間の中であの娘と再会出来る空間が一つだけあるのだ。それが地元の自動車教習所である。あの空間は極めて特異的である。地元の人間が集まり自動車の免許を取るのだ。一生使う自動車の免許を。そこにはたくさんの人間がいる。同じ市内で教育を受けたとは思えないほどのヤンキー。コンビニの店員だったやつ。俺と来たけど知り合いが多すぎて俺から離れていくやつ。そして。あの娘である。俺が憧れた、あの娘。可憐。可愛い。きゃわきゃわでたいへんイケイケなあの娘。あの娘が自動車の免許を取るのだ。あの娘はあの美しい脚でアクセルとブレーキを踏み分けるのだ。AT限定である。それでいい。それでいいのだ。そして俺はあの娘と同じ仮免試験を受けるのだ。偶然同じ車両になって、あの娘の触れたハンドルで俺も運転をする。巻き込み確認もする。右折車線に入る前にはチラッと後ろを確認する。視界の隅で息をするあの娘。車というものが作り出した密室。 俺たちのハイウェイ。もう書くことなんかない。終わりだよ!!!