全ての居酒屋はトイレの中に大きな鏡を置くな

ない文章力を振り絞って恋と退屈について書きます

君の節穴に愛をこめて

○○君の良さわかんないなんてみんなの目は節穴だね!!!

俺にそう言ってくれたあの娘の話を今日はしようと思う。

あの娘は身長がとても小さかった。ダンス部だった。そして何よりあざとかった。

俺に話しかける時は制服の袖をつかみ上目遣いで話しかけてくる。言っとくがこれで落ちない童貞はいない。断言しよう。かつて俺は童貞の中の童貞であった。どれくらい童貞だったかと言うとGoogleで「マ○コ 味」で検索するぐらいには童貞であった。高校生活は野球漬け。休みは1ヶ月に1度ある月の方が少ない。毎日9時まで練習をして帰る。それだけを繰り返した俺にとって君はまさに救世主だった。俺が好きになったきっかけは忘れもしない、テスト期間の話だった。俺は意識が高い系だったのでテスト期間も練習が終わったあと地元をランニングしていた。そこでたまたまあの娘からLINEが来たのである。たしか暇みたいなニュアンスであったと思う。俺は会いに行った。何故か。俺は会いに来てくれる童貞なのである。

そこでめちゃくちゃ長話をした。君のした恋愛の話、俺の野球の話、普段の学校の話、その他もろもろあとは忘れた。

すごい可愛かったと思うんだよね。もう顔も忘れたけどさ。

それからというものあの娘が俺の思考を支配した。四六時中考えていた。テスト期間はランニングをしてあの娘の家の前を通るわけです。偶然会いたかったから。というのもあの娘の家には屋上があって時折外を見ている。そこを偶然通り掛かって遭遇したかった。たまに屋上で外を見てるって連絡が来た時は俺はそのままランニングをして君に手を振りに行く。その一瞬のためなら俺は何時間だってかけられただろうと思う。とにかくめちゃくちゃすきだった。夜たまに電話してくれる時があった。その時俺LINEのトプ画が「童貞も守れないやつに何も守れないんですよ」っていう画像だったんだけど、

その娘がそれ見て、「何も守れないの?」って聞いてくる。俺はお調子者なので当然だ!!と答える。すると君はじゃあ奪っちゃうけどいいの?と聞いてきた。奪って!!!!!!!!!

ギンギンになりましたよ。次の日も練習なのに。高校2年生。17歳、君を見る度に照れくさくなってしまうようになったよ。そこからの俺というのはとてもとても健気であった。普段は練習が長いが雨の日は帰りが早くなる。するとちょうどダンス部の練習の終わり時間と被るのである。一緒に帰ることが出来る。たまに野球部の方が早く終わった時はダンス部が練習してる教室の電気が消えるまで居残り練習をする。電気が消えたら君にLINEする。ちょうど終わったって、成功する時もあれば失敗する時もある。成功した時俺は世界で1番であった。何がとかそういうのじゃない。俺は世界で1番であった。君は僕の世界であった。存在しないそう思っていた青い春は意外と近くにいた。そう思っていた。文化祭で君が踊る姿に胸を締め付けられる。大声で言いたかった。俺は!!!!あの娘と!!!一緒に帰ったことあるから!!!!LINEとかしてるし!!!!!

まあ結論から言うとあの娘の目もめちゃくちゃ節穴だったんすけどね。ほかの男の子とも普通に帰ってたらしいし。普通にずっと童貞でした。これだから人間は信用出来ねえな。

甘酒今日のセンチメンタルBGM

不純異性交友 グッバイフジヤマ

「あの娘の本当のことは知らないけど

嘘つきだのメンヘラだの男好きだの

そんなの本当に本当にどうでもいいのにな

でもあの娘が選んだのは僕じゃなかった」